2026年08月28日

なぜ経理業務でExcelは消えないのか?

目次

企業の経理や開示業務において、システムの導入が進む一方で、依然として「Excel」が手放せないという声をよく耳にします。

例えば、会計システムから抽出したデータを部門別や顧客別に再集計したり、勘定科目の分析を行ったりする際、結局は使い慣れたExcelに頼っているという方は多いのではないでしょうか。
また、予算策定や予実管理、経営層への報告資料の作成、決算開示における注記データの集計や特殊な会計処理など、システムだけでは完結しにくい非定型業務においても、Excelの柔軟性は今なお重宝されています。

本記事では、経理・開示業務において、システム化が進んでもExcelが必要不可欠である理由を掘り下げて解説します。

システムを導入しても、Excel作業が残り続ける理由

経理部門でも会計システムをはじめ、経費精算や固定資産管理など、さまざまな業務効率化ツールの導入が進んでいます。しかし現場では、システムを入れてもExcel作業が減るどころか、かえって増えてしまうケースも見受けられます。これには、主に次の3つの理由が影響しています。

1.システム間のデータ連携不足による「橋渡し作業」

最大の要因は、異なるシステム間でのデータ連携が完全ではないことです。
給与計算システムや販売管理システムから会計システムへの仕訳連携などは、多くの企業で課題となっています。すべてのシステムが完全につながっている状態が理想ですが、実際には異なるベンダーのシステムを利用していたり、独自のカスタマイズが障壁となって自動連携が難しかったりするのが現実です。

その結果、担当者は各システムからデータをエクスポートし、Excel上で手作業による加工を行ったうえで別のシステムへインポートするという「橋渡し作業」を余儀なくされます。煩雑な作業ですが、システム間のギャップを埋めるためには不可欠な工程となっています。

2.システム対応できない経理処理の存在

優れた会計システムが普及した現在でも、すべての経理・決算処理をシステム化できるわけではありません。特に以下の業務は、システム対応させるには費用対効果が合わないケースが多く見られます。

  • 前払費用などの経過勘定項目の管理
  • 各種引当金の算定
  • 有価証券の管理や含み損益の計算
  • 借入金の内訳や返済スケジュールの管理
  • 決算開示における各種注記データの集計
  • その他の決算整理仕訳や税務調整

これらの業務は発生頻度が低かったり計算ロジックが複雑だったりするため、システムを改修するよりも汎用性の高いExcelで対応するほうが効率的と判断されます。とりわけ決算や開示の繁忙期には細かな調整や分析が求められ、Excelの活用が避けられません。

3.企業独自の業務フローや複雑な計算ロジックへの対応

市販のパッケージシステムは汎用性を重視しているため、企業独自の業務フローや特有の計算ロジックには対応しきれない場面が多々あります。
例えば、製造業における特殊な原価計算や、システム開発会社でのプロジェクト別予算管理など、自社ならではの処理をシステムに落とし込むことは容易ではありません。

もちろんカスタマイズも可能ですが、それには多額のコストと開発期間が必要です。また、業務フローの変更のたびにシステム改修が必要になるリスクもあります。
結果として、「担当者が必要に応じて計算式やレイアウトを即座に変更できる」という圧倒的な柔軟性を持つExcelに頼ってしまい、「まずはExcelで運用しよう」と落ち着くケースが多いのです。

まとめ:システムとExcelの共存を前提とした運用構築を

このように、日々の細かな課題に対して即座に対応できる柔軟性を持つExcelは、システムを補完する重要なツールとして今後も使い続けられるでしょう。近年のAI技術の進化により一部の作業は自動化されると考えられますが、イレギュラーな対応には人の手とExcelが欠かせません。

実務においては、「すべてをシステム化する」という非現実的な目標を掲げるのではなく、「システムとExcelをセットで活用する」ことを前提とした上で、無理のない運用フローを構築することが何より重要と言えます。

 


開示業務の属人化を防ぎ、Excelの強みを活かす「WizLabo」

しかし、決算・開示業務においてExcelを多用した「橋渡し作業」や「手作業の転記」が残ると、特定の担当者に負荷が集中する属人化や、転記ミスのリスクが伴います。
そこで、システムとExcelの隙間を埋め、開示業務の効率化を実現するのが開示決算自動化ツール「WizLabo」です。

WizLaboでは、経理現場の課題を解決する2つの連携機能で手作業の負担を大幅に軽減します。

WizLabo Transfer(会計システムとのAPI連携機能)

残高試算表や連結精算表、注記データなどを、様々な会計システムからワンクリックでWizLaboへ連携できます。コピー&ペーストによる転記作業の工数、ミスの発生リスクを大幅に削減します。

WizLabo Bridge(Excelデータの転記作業を効率化)

システム連携が難しく、どうしても手元のExcelで集計・計算が必要なデータについても、更新した取込用Excel原稿を表ごと開示文書に直接連携して反映できます。これにより、Excelから開示資料への煩雑な転記作業を効率化し、使い慣れたExcelの強みを生かしながら安全に資料を作成可能です。

「システムで対応しきれない手作業」を効率化し、決算・開示業務の属人化解消と負担軽減を目指す方は、ぜひWizLaboの導入をご検討ください。

執筆者紹介

葛西 一成

葛西 一成

株式会社IS経理事務所 代表取締役(元上場企業経理部長)

東証プライム・グロース上場企業2社で経理部長を務めた後、独立開業。現在は上場企業の決算業務支援や会計関連システム開発・導入のアドバイザーを行うとともに、経理実務セミナーの講師としても活動中。著書に『経理のExcelベーシックスキル』(中央経済社)、『組織を整え人材を活かす 強い経理の作り方』(税務研究会出版局)がある。

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